デンタルニュース
定期予防歯科をお勧めする理由
どうして受けたほうが良いの?
どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯垢は取り切れないから
毎食後きちんと歯磨きをされている方は多いと思います。
しかし、歯ブラシだけでは、どんなに丁寧に歯を磨いても60%しかお口の歯垢を取り除くことができません。
フロスや歯間ブラシを使っても80%〜85%程度までが限界です。
磨き残しはその人の癖によって、毎日同じところに残るため、虫歯や歯周病の原因になるのです。
自分では落としきれていない歯垢を、プロの手で定期的に落とすことで虫歯や歯周病を予防することができます。
歯周ポケットの中は、歯ブラシが届かないから
歯周ポケットが4mm以上あると、歯ブラシが届かず、自分では歯周ポケット内の汚れを落とすことができません。
歯周ポケット内の歯垢をそのままにしておくと、歯垢の中の歯周病菌が出す毒素によって、歯肉に炎症が起きます。
放っておくと歯肉の腫れが大きくなり、歯周病菌が歯を支えている組織を徐々に破壊して歯槽骨を溶かしていきます。
そして最後には歯が抜けてしまいます。
バイオフィルムは機械的な清掃器具でないと除去できないから
お口の中の汚れに「歯垢」と「バイオフィルム」があります。
「歯垢」は、食後8時間程度で、食べかすを栄養源としてできる微生物の塊のことです。
そして、歯垢が口腔内に長時間留まり、膜のようにったものが「バイオフィルム」です。
バイオフィルムは、例えば台所の排水溝についているヌルヌルのようなもの。
膜のようになって歯に付着しているバイオフィルムの中には細菌がぎっしり増殖しています。
こうなると歯科医院のクリーニングでないと取り除くのが難しくなります。
歯石は歯ブラシでは取れないから
自分で取りきれなかった歯垢はバイオフィルムになり、やがて歯石になります。
歯石には多くの細菌が住みつき、歯周病、むし歯、口臭の原因になります。
歯石は硬く、歯磨きでは取り除けないので、歯科医院で歯科衛生士に専用の器具を使って除去してもらう必要があります。
お口の中の異常をいち早く見つけられるから
歯周病は糖尿病やアルツハイマー型認知症の原因になります。
定期的にお口のケアを受けることで、歯周病や虫歯などの早期発見、早期治療だけでなく、全身の健康維持につながるのです。
定期的に歯科医院で口腔ケアを受けよう
歯科医院での口腔ケアは一度受けたら終わりではなく、一般的には3か月ごとを基準に繰り返し行います。
歯ブラシでとれない歯垢は3カ月経つとその毒性が上がるからです。
3カ月に1度は定期予防歯科へ通い、上手に虫歯や歯周病の予防をしていきましょう。
あなたの歯周ポケットは綺麗ですか?
歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の溝のことです。皆さんもテレビC Mなどで一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか?
健康な人でも歯周ポケットはありますが、歯と歯茎がぴったりくっついて浅いです。
しかし、歯周病になると歯周ポケットが次第に深くなっていくのです。
歯周ポケットの深さ
歯周ポケットの深さは自分ではなかなか分かりません。
歯科医師や歯科衛生士が「探針」「プローブ」といわれる、目盛りのついた細い針状の器具を歯と歯茎の間に入れて、ポケットの深さを測ります。
1本の歯につき4~6箇所程度測ります。
歯周ポケットが深くなると、内部まで歯ブラシが届かないのでどんどん汚れが溜まります。
歯周病菌は空気を嫌うので、ポケットの中で歯根の方に深く進んで繁殖します。
歯周ポケットを放置していると、歯周病菌が歯周ポケットの中に歯石を作り、毒素を出して歯を支える繊維や骨を破壊し、最終的には歯が抜けてしまうことになります。
健康な歯肉
〜3mm
健康な場合でも溝はあります。
歯肉炎(軽度歯周病)
3~4㎜
歯を支える歯槽骨が溶け始めた状態です。
歯磨き時に出血したり、歯がうずいたり、歯茎が腫れぼったく感じるのが特徴。
初期の場合では無症状なこともあります。
歯周炎(中等度歯周病)
5~7㎜
歯を支えている歯槽骨が1/3~2/3溶けてしまった状態です。
水が滲みたり、歯磨きをすると歯茎から出血したりします。
歯茎が腫れたり治ったりを繰り返します。
歯がぐらつき始め、膿が出たり口臭がしたりします。
歯周炎(重度歯周病)
7㎜~
歯を支えている歯槽骨が2/3以上溶けてしまった状態です。
歯がグラつき、慢性的な腫れや膿が溜まって、歯磨きの際は毎回出血するようになります。
最悪、歯が抜けてしまうこともあります。
歯周ポケットの予防と治療法
歯周病は定期予防が重要です。
3ヶ月に一度は歯科衛生士に歯石を除去してもらいましょう。
歯茎の腫れや出血がある方、歯がぐらつく方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
お口の衰えについて
”お口は健康を現す鏡”と昔から言われています。
最近では、お口の二大疾患である虫歯と歯周病の他に、お口の機能の衰えから全身疾患に繋がることがわかってきています。
そんなお口のトラブルやお口の老化についてお伝えします。
口の働きを理解する
まず口の機能についてお伝えします。
口はものを噛み、飲み込むという以外にも、会話をしたり発音発語をしたり、表情を作るなど沢山の機能があります。
それらは密接に関係しており、何かが欠けてもバランスを失い、全ての働きが悪くなったりします。
例えば、楽しい会話とともに食事ができていたのに、口全体のバランスを失うと表情が沈んだり、お口の周りの筋肉が低下してしっかり噛めなくなったり、更には誤嚥(ごえん)を招いたりします。
口の機能を保持するためには
機能保持のためには、口の中がきちんと管理、お手入れされて歯や舌、頬の粘膜、唇などが働ける状態でなければなりません。
歯がなければゴルフのスコアが落ちたり、吹奏楽器では前歯や舌、唇などがきちんと動かずいい音が出ない、ということもあるそうです。
入れ歯を入れ忘れると力が入らず、転倒リスクが増えるという事もあります。
毎日の歯磨きや舌磨きを含め、正しく管理、清掃され口腔内が健全な状態にあって、初めてお口が働くと言えるのかもしれません。
お口の機能が衰えるということ
お口の機能が衰えることをオーラルフレイルと言います。
50代でそのような老化現象は少しずつ始まってくると言われています。
アメリカのブッシュ大統領が55歳の時、誤嚥によってお菓子を詰まらせて意識を失ったという事故がありました。
誤嚥と聞くと高齢者の死因の一つである誤嚥性肺炎を思い浮かべますが、健康な方であれば喉に詰まらせたものを咳払いで排出できるようになっています。
しかし、気管支のポイント切り替えがうまくできなくなり老化の症状が出れば、口の中にたくさんある細菌を誤嚥してしまい、肺炎を引き起こし、最悪の場合命を落とすこともあります。
具体的な機能の低下とは
機能低下とは、先にお話しした噛む、飲み込む、会話する、表情を作るなどの働きが難しくなることをさします。
舌の働きが悪く滑舌が悪くなったり、食べ物を送り込めなかったり、頬を膨らませたり口をすぼめることができなれば発音の悪さだけでなく、飲み込むこと自体が難しくなります。
逆に食事が早くなったと感じお口の中を観察すると、歯が失われていて噛まずに飲み込んでいたということもあります。
機能の低下があるかどうか、口の中の定期的なチェックも欠かせません。
スマホやパソコンの使用が日常になっている若い世代では口腔年齢が上がっているので、早いうちから口腔機能の衰えを予防する運動を取り入れるのもオススメです。
ほうれい線予防に美容業界からも口腔機能について大変注目されていますので、若いうちから気をつけていくと良いでしょう。
歯がしみるのはなぜ?
虫歯でもないのに歯がしみるというお悩み、一体どうして歯がしみるのでしょうか。
しみる原因はいくつもあります
歯がしみる原因はいくつか考えられます。
代表的なものは、被せものや詰め物をする治療後すぐの症状や、磨き方を間違えたために起こる知覚過敏です。
他にもお掃除不足によるプラークがもとの歯肉炎によるしみ症状、歯ぎしりや噛み合わせから起こるものなど多くの原因が複雑に絡んでいることもあります。
出来るだけかかりつけの歯科医院で状態を判断してもらうのが良いでしょう。
治療後すぐしみ始めた・・・
虫歯だと言われて治療はしたものの金属を入れたりかぶせた後からしみて仕方ない、うがいの水もしみてしまう、という声はとても多いです。
金属は熱を伝えやすいので、金属と神経の距離が近いと熱がダイレクトに神経に届いてしまうので、しみるという症状を招いてしまうのです。
ほとんどの方は、徐々に高ぶった神経が落ち着いて症状が治まっていきますが、金属が大きければ大きいほどそれに時間がかかり、長い場合は症状が落ち着くまでに数ヶ月を要することもあります。
深い虫歯だからといってすぐに神経をとってしまえば当然しみることはありません。
しかし神経がない歯のデメリットは大変大きいものになり、一度とってしまった神経は後に後悔しても戻らないので極力残してあげたいと思うのが私たち歯科医療従事者の本音です。
そのため患者さんには引き換えにしみるという症状を残してしまうことがある、というわけです。
知覚過敏によるしみ症状
その他、知覚過敏による症状が多くあります。
これはお口をよく磨いている方によく起こる症状で、丁寧にしっかり一日3回以上磨いている、という方にもよく見られます。
また男性で力を込めてしっかり磨いている方にもよく起きています。
しみ始めたときに、歯磨きの仕方をよく歯科衛生士に確認してもらい、力のコントロール、動かし方をチェックしていくことで、改善される事もあります。
ひどくなってから治療に来られる方もいますが、最初はコーティング剤を塗って様子を見たり、明らかに段差や削れを起こしているときには、白いプラスチックで周りからみてもわからないほどのきれいな修復をする事もできます。
できれば自らの歯磨きで大切な歯を削りとらずに済むよう、早めに歯科医院で正しい歯磨きを習得することをお勧めします。
その他の原因によるしみ症状は
夜に歯ぎしりや仕事中の強いくいしばりなど、歯や周辺組織に大きな力が常にかかってしまっている人は神経に伝わる力刺激がしみ症状として感じられていることもあり、その原因を取り除くのはなかなか大変です。
歯ぎしりや食いしばりの原因をよく見極め、マウスピースを装着するなど歯にかかる力のストレスを減らしてあげると収まってくることもあります。
様々なことから起こる歯がしみる原因は、複雑でなかなか一般の方には見分けがつかないこともあります。
ぜひ歯科医院にご相談ください。
お口のにおい
なかなか話題にしにくいお口のにおい。
気になってはいてもなかなか自分では気付きにくいものですね。また人に指摘されるととてもショックなものでもあります。
口臭をチェックする家庭用の小さな機械も販売されていますので、関心の高さも伺えます。
人は起床時の口臭が一番強く、続いて空腹時などと言われています。唾液の分泌が少ない時には口腔内の細菌が増殖し留まっているため、口臭が増してしまいます。また虫歯になった歯からもにおいが発生するものです。この手の口臭はしっかりと歯磨きをしたり、歯医者さんでのお掃除や治療をしっかりして歯や歯ぐきが健全になれば大抵のにおいは消すことができます。
空腹時口臭はそれとは少し違い、空になった胃からのにおいなどと言われています。病的なものではなく生理的口臭に分類されるものです。
他には食べ物により食後臭うものがあるのは容易に想像がつきますね。
例えば、にんにく、ニラやキムチ、らっきょうや納豆、たくあんなどが挙げられます。
また嗜好品のコーヒーやお酒、タバコもその代表格です。食べ物由来のにおいですので、消化されたり体外に排出されればにおいは消えますが、心配なのは病気になった時も口臭が強くなることです。
アレルギーなどで鼻水が喉に流れていると口臭が発生しやすいですし、ストレスや急激なダイエットからの胃や腸のトラブル、便秘や糖尿病、逆流性食道炎でも口臭はよくある症状になりつつあります。口臭の分析で病気を簡単に判断できるようなことも将来は普通になると言われています。
仲の良い友達や家族ですら指摘しづらい口臭ですが、今や口臭外来という診療科まであるほどです。口臭が気になって外出が難しくなったり、精神的に参ってしまう方もいるので、デリケートな悩みです。
全身疾患においてはまた話が変わりますが、まずは口腔内の環境を改善することでかなりのにおいのお悩みから救うことができると言われているので、自分で気になったらまず歯科医院でチェックしてもらうのもおススメです。
歯磨きの仕方やマウスウォッシュを使用するなどの行動変化でも一時的ににおいを和らげることができます。
会議や人と近い距離になる時にはエチケットとしてガムを噛んで唾液をたくさん出したり、簡単に歯磨きをするだけでも違ってくると思います。
海外からやってきた人からは日本の電車内やエレベーターが非常に臭うといった声もあるようです。まだまだ日本人の口臭の意識は変える余地があるということでしょう。歯科医院では具体的ににおいを数値化してお知らせしたり、お悩みの元になる汚れを指摘、除去することで改善の手助けができると思います。どうぞお気軽に歯科医院でお悩みを話してみてくださいね。
歯が揺れる?
歯が揺れる、なんてことはあるのでしょうか?
乳歯が大人の歯に生え変わる時、抜ける前に歯がグラグラしたことを思い出した方もいるのではないでしょうか。
普段の生活の中では、歯は顎の骨に埋まっていてシャーピー繊維という細い沢山の糸で骨と繋がっています。そのため歯はわずかに動きます。(生理的動揺)
噛んだ時の強い力や前歯に衝撃があった時など、力を分散したり吸収するなどして歯の破折を防いでいます。
強く噛んだり前歯を軽く指で押せば、歯が沈んだり少し前後に動く感じがわかると思います。
歯が揺れる時には下の歯でいえば唇と舌の方向に前後に揺れるケースと、強く押したときに沈み込むような上下の揺れ動きと、2種類のタイプがあります。
歯科医院ではこの揺れをチェックし数値化しています。
しかし強い噛み締めのクセや、歯周病などで歯は願わずも動揺してきてしまうことがあります。
食いしばりや歯ぎしりなど常に強い力がかかり一定のラインを超えるとこの繊維が断裂して疲労を起こし、支えのクッションが減ってきてしまいます。
そう多くはないですが、噛み締めから全体的な強い揺れが見られることがあります。
そのような場合は、マウスピースを使ったり噛み締めのクセをなくしていくなどの治療が必要になるでしょう。
一般に多いのは歯周病により歯周組織が破壊されているケースです。
歯の周りのポケットに住み着く細菌が、歯ぐきに炎症を起こし顎の骨を溶かしていくものです。
高いビルを歯、その地盤を歯ぐきだとイメージしてみて下さい。
地盤が固い時(歯周病になっていない時)は、しっかりとビルを支えていますが、地盤が緩くなる(歯周病になり炎症で歯茎が腫れている)と高いビルを支えるのには不安があります。
さらに歯周病が進行すると支えている骨も溶けていくので、歯茎が下がり土台が見えてくるような状態になります。
流石に突然このような症状を感じるまでにはそれなりに長い時間がかかりますが、一度溶けた組織はなかなか元に戻すことができません。
これは虫歯とは関係なく、歯茎のみに起きて来る症状です。
歯周病は静かに進んでいく病気だと言います。僅かながらの出血、一般の方だと気付きにくい歯ぐきの炎症期間が数十年続くので、慣れてしまっている方もいるかもしれません。
そのためには歯科検診を兼ねて、年に数回のクリーニングが必要です。
その時に歯磨きの方法を聞いたり、普段の習慣やケアの仕方を指導してもらうと良いでしょう。
虫歯になったことがあまりない人ほど歯科医院に行く機会がないため、歯周病を招いてしまうことも少なくありません。
歯が揺れるほどの症状が出ている方はもちろん、その不安がある人はまず歯科医院でチェックをしてもらうと良いでしょう。
オーラルフレイルは要介護の入り口!?
オーラルフレイルとは?
英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味します。
オーラルフレイルとは2つの単語の掛け合わせで『口を介した体の衰え』のことです。
健康と要介護の間には、フレイルと呼ばれる、老化のはじまりを示すサインとなる中間的な段階があるとされています。
その手前にある、前フレイル期に「オーラルフレイル」の症状が現れます。
どんな症状なの?
「オーラルフレイル」の症状は、食事を食べこぼす、固い物が噛めない、むせるようになった、滑舌が悪くなった等のささいな症状です。
しかし口腔機能が衰えると、次第に食べたり話したりすることが億劫になるだけでなく、栄養状態の悪化によって筋肉がやせ、体力が低下して外に出かけることが面倒になってしまいます。
そうして高齢者が社会とのつながりを失うと、まるでドミノ倒しのように心身の活力が弱まり、簡単に転んで骨折したりして次第に要介護状態になっていくのです。
健やかで自立した暮らしを長く保つためには、この段階で早く気づき、予防や改善に努力することが大切です。
オーラルフレイルチェック
※3点以上となった方は、専門的な対応が必要です。
はい:2点 いいえ:1点 |
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半年前と比べて固い物が食べにくくなった |
お茶や汁物でむせることがある |
義歯を入れている |
口の渇きが気になる |
半年前と比べて、外出の頻度が少なくなった |
さきいか、たくあんくらいの堅さの食べ物が噛める |
一日に2回以上は歯を磨く |
一年に1回以上は歯科医院を受診している |
1~2点: オーラルフレイルの危険性は低い |
3点: オーラルフレイルの可能性がある |
4点以上: オーラルフレイルの危険性がある |
一般社団法人 神奈川県歯科医師会 オーラルフレイルハンドブック より引用
オーラルフレイルの予防方法
オーラルフレイルの予防として最も大切なことは、健康な歯と歯茎を保つことです。
「8020運動」といって、80歳で20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるとの調査結果があります。
まずは、日常の歯磨きはもちろんのこと、歯科医院で定期検診を受けることを習慣にしましょう。
また、もし歯を失ってしまったら、そのままにせず適切な治療を受け、食べ物を噛めるようにしておくことが大切です。
健康はお口から。いつまでも健康でいられるように、お口の健康を心がけましょう!
洗口剤のおはなし
普段お口のケアで洗口剤を使っているでしょうか。
会議の前や人と会う前など、歯磨きができないときにお口をさっぱりさせるために使っている人や、歯磨きの後に使っている人、いまひとつ用途や使用するタイミングがわからない人もいるかもしれません。
液体歯磨きとの違いは何か?と聞かれることもあります。
商品のパッケージや付属のラベルに液体歯磨きの表示があるかどうかをまず確認しましょう。
液体歯磨きであればお口に含んで全体に行き渡らせた後、浮き上がった汚れをそのあと磨いて落とすので歯ブラシを口に入れるより前に使います。
それ以外の一般的に洗口液と呼ばれるものは歯磨きをしてお口の細菌の絶対数を減らした後に効果的にお口を殺菌するという考え方です。
そのため液体歯磨きであれば歯磨き前の使用、洗口剤ならば歯磨きの後に使用することになります。
また便利な使い方として歯磨きのできない環境でせめてものエチケットとして、気分転換に、洗口剤を使うケースもあります。
災害時に水の使えない環境下で口腔内の衛生を保つために、配布されたり自治体の備品として用意されているケースもあります。
高齢者のお口のケアに拭き取り用として使えば、うがいができなくても口の中をスッキリさせることができます。
また歯磨き後にデンタルフロスや歯間ブラシを使うとき、薬液を浸してから使用すれば、普段歯ブラシでは届かない場所へ薬液を行き渡らせることもできてます。
試してみた方々からは、「翌朝お口がとてもすっきりする!」「口臭が気にならなくなった」などと喜ばれます。
お口の中の面積は思うより広く、歯が占める表面積の割合はわずか30%程度だと言われます。
それ以外の舌や頬の粘膜、歯茎などはなかなかブラシで磨くということは難しいものです。
いくら歯磨きを完璧にしても細菌たちはさらに別の場所で増殖しようと存在しているのですね。
そのようなことから洗口剤を使用し、口腔内の薬液が行き渡るということは非常に意味があると言えます。
お口の乾燥が気になる女性や薬を服用している方にはノンアルコールタイプをお勧めします。
唾液の分泌が少ないと細菌が固まりやすかったり増殖しやすいのでノンアルコールタイプでケアをしてみるといいでしょう。
また含まれる成分により、お口に入れた時の印象も随分と違いますし、効果も大きく違ってきます。
メントールやミントのような爽やかなものから、親しみやすいフレーバーまで見つけると楽しくなりそうです。
虫歯予防効果のあるフッ素や特殊な成分を含むものや歯周病に特化したもの、歯石をつきにくくしたり、着色汚れを剥がしやすくする効果のあるものなど、見ていくと大変面白いですよ。
使わないよりずっとよい、洗口剤を試してみませんか。
歯ブラシの寿命
歯ブラシを使ったことがない人というのは、今の日本では見当たらないかもしれませんね。
歯ブラシ使用後は洗ってよく乾かします。梅雨時期などに、使用後すぐにキャップをしてしまうのは心配です。
歯ブラシの寿命はご存知ですか。
一か月を目安にと言われることが多いのですが、実は何ヶ月などとは言えないのです。
力加減、使用回数や動かし方などによって、ブラシの毛の痛み具合も違いますし、もともとの歯ブラシの毛の質や硬さも千差万別。
力まかせに硬い歯ブラシで磨きたいという男性患者さんは歯ブラシは一か月もたないと嘆いていましたし、旅館やホテルにある歯ブラシと、歯科医院専売品の歯ブラシでは耐久性が違うのは明らかではないでしょうか。
自分できちんと見分けられるようになりたいものです。
なかには劣化するとナイロンの毛に着いた色が薄くなり交換時期がわかるものもあります。
よく歯ブラシを裏側から見て毛が広がっていたら交換時期と言われます。これも一つの判断方法だといえます。また歯磨きの際、歯ぐきをなぜか傷つけてしまうという場合も交換した方がいいでしょう。
歯磨きの後、舌で歯を触ってみたときにいつもと違ってあまり磨けていない、ざらざらしているなどと感じた時は歯ブラシの交換時期かもしれません。
ナイロンでできた歯ブラシの毛は劣化していくので、それに伴いしなりを失っていきます。
ナイロンは水に濡れてもコシがあり、ある程度のしなりがあるため、伝えた力をほどよく利用し歯磨きができるのです。
しかし人工のものなので使用が重なればその毛のしなりは失われ劣化していきます。
しなりがなくなり適度な弾力がなくなってしまったナイロンは、周囲の組織である歯ぐき
を傷つけたり、力が適切に伝わらず歯をきちんと磨くことができなくなるわけです。
不衛生になりやすいじめじめした梅雨時期は、その交換のタイミングを早めた方がいいかもしれません。
口の中は多くの細菌がいる場所であり、歯ブラシを湿度の高い場所に保管しておくのでは、歯ブラシ自体が汚染されてしまっているといえます。
無駄なく使ってほしいとは思いますが、消耗品であることは間違いありません。
古くなった歯ブラシは掃除に使ってみてはいかがでしょうか。年末の大掃除や網戸の清掃に、また窓のさんや流しの周りなどに使ってみるとまだまだ利用価値があり大変便利です。
年間約36億本もの歯ブラシが廃棄されていると言われています。プラスチックゴミ等の問題もあり、持ち手を工夫した製品なども開発されています。
歯をただ磨くことだけにとらわれず、道具の質についてもきちんと見られるようになるといいですね。
あの音の正体は
歯科医院の治療も近年、予防だけに通う患者さんからは「もう怖くない!」という嬉しい言葉をもらうことも増えてきました。
痛いし、治療は長くて・・・などと言われるのは残念で、早めに来てもらえたらもっと回数も少なくはやく助けてあげられたかもしれないなと思うこともしばしばです。
それでもまな板の上の鯉だという人がいるように、ユニットと呼ばれる診療用の椅子に座らせられたらもう身をゆだねるしかないのかもしれません。
近年治療中は顔にタオルを掛けたり、目元を隠したりする事も多くなりました。
今何をされているのか気になるけれど全く見えないと恐怖も倍増ですね。まだまだ知らないことの多い歯科医院での治療が少しわかってきたら、必要以上に怖がる必要も無いのかもしれませんね。
今日は歯科医院で聞こえる音についてお話ししてみたいと思います。
まず「お口を開けてください」の後によく聞かれる「キーン」というあの甲高い音。
歯を削る治療に使われるタービンという器械です。
空気を圧縮した力で工具を高速で回転させるものです。
発生した熱をおさえるために必ずお水を出して治療をします。併せて吸引のバキュームと呼ばれる機械の音も加わります。
タービンで硬い歯を削るので、ダイアモンドが混ぜられたバーを用います。
器械の振動や、しみる、痛いなど患者さんが感じたりすることが極力少なくなるよう、器械も日々進化しています。
「それでは光を当てるので目をつぶってください。」などと言われたことはありませんか。
これは虫歯の治療中によくあるシチュエーションです。
そのあとピッという小さな電子音が聞こえたことはないでしょうか。
虫歯の穴を埋めるため、材料を光で硬化、接着させたりするときにこの電子音が聞こえます。ちょっと暖かい感じがするという声もよく聞かれます。
神経治療の際には「ピピピピピ」というような電子音も聞こえます。
神経の入っている部屋を掃除して根に薬を詰めるまでの工程中に、神経の部屋の長さを測っています。
この器械を使って、しっかりと神経の部屋の長さをはかり、失った神経の代わりに薬を詰めていくのです。
詰め物やかぶせものを接着したあと、硬化を待つ間にタイマーをかけていくときもありますね。
滅菌が終了した合図や、患者さんが来院されたことを知らせるベル、電話の音など、診療所の音に着目するといろいろな音が溢れています。
このような音についても、不安なまま治療を受けることはせず、もしも疑問に思うことがあれば、目でなかなか見えない治療ですから遠慮無く聞いてみてください。