デンタルニュース

虫歯の程度のはなし

一口に虫歯と言っても、痛みの少ないもの、明らかに痛みのあるもの、見た目で判断できるものから、素人目には全く判断のできないものなど、その虫歯の進行状況によってまるで別物のように症状が違います。
また似たような痛みのように感じても、どんなときに何で痛みを感じるのかと話を聞いていくと状態が全く違うこともしばしばです。

さてそんな一筋縄でいかない虫歯ですが、進行状態によってその治療方法が変わってきます。
正しく知って、早めの治療が受けられるように、また治療の選択肢も一つでも多い中から考えていきたいものです。


虫歯のカテゴリーはよくC1,C2,C3,C4 と分けられます。数字が増えるほど進行してしまっている状況を示します。

他にもC0と言って、穴の開いていない、初期の虫歯のような状態を表すものがあります。
この場合、初期虫歯とは言えますが、虫歯のカテゴリーには入れないという考えが主流になりつつあります。
きちんと手入れをして見守り、なるべく削らない、という考え方です。

となると、歯科医院で治療の対象になっていくのはC1〜C4、明らかに一般の人が見ても穴を確認できるような程度のものです。

歯の構造は簡単に言うと、口を開けて見える白く硬い組織のエナメル質が外側を覆うようになっています。
内部に象牙質(ぞうげしつ)、神経の管、また根の部分にセメント質という組織があります。

白いエナメル質に限られた痛みのほぼない、小さな虫歯をC1としています。
ほぼ当日治療が可能な小さな虫歯と言えますが、放置するとエナメル質内部の象牙質にまで虫歯が侵食してしまいます。

詰め物は大きくなるため型を取り、ラボと呼ばれる技工所に注文を出します。出来上がった詰め物を詰めるために治療回数は増えます。

さらに大きくなった虫歯はC3と呼び、神経に及びますので痛みを伴います。
侵された神経を取り除き、綺麗になるまで消毒を繰り返すため、回数が増え、さらに土台や被せ物の型を採り、それを被せるので数ヶ月の治療を必要とします。

更に進んだ虫歯は歯の冠の部分が崩壊し、根だけの状態、C4になります。神経も死んでしまうので当然神経治療が必要になるか、最悪のケースは抜歯をしなくてはなりません。

このように全てのケースで、虫歯は初期からどんどん進化していきますので、早期発見、早期治療を促しています。
早いうちならば、痛みも少なく短期間で治療が終了します。

そのためにも、クリーニングを兼ねた予防、早期発見の来院が必要なのですね。