デンタルニュース

歯ブラシの寿命

歯ブラシを使ったことがない人というのは、今の日本では見当たらないかもしれませんね。

歯ブラシ使用後は洗ってよく乾かします。梅雨時期などに、使用後すぐにキャップをしてしまうのは心配です。

歯ブラシの寿命はご存知ですか。
一か月を目安にと言われることが多いのですが、実は何ヶ月などとは言えないのです。
力加減、使用回数や動かし方などによって、ブラシの毛の痛み具合も違いますし、もともとの歯ブラシの毛の質や硬さも千差万別。

力まかせに硬い歯ブラシで磨きたいという男性患者さんは歯ブラシは一か月もたないと嘆いていましたし、旅館やホテルにある歯ブラシと、歯科医院専売品の歯ブラシでは耐久性が違うのは明らかではないでしょうか。

自分できちんと見分けられるようになりたいものです。

なかには劣化するとナイロンの毛に着いた色が薄くなり交換時期がわかるものもあります。

よく歯ブラシを裏側から見て毛が広がっていたら交換時期と言われます。これも一つの判断方法だといえます。また歯磨きの際、歯ぐきをなぜか傷つけてしまうという場合も交換した方がいいでしょう。
歯磨きの後、舌で歯を触ってみたときにいつもと違ってあまり磨けていない、ざらざらしているなどと感じた時は歯ブラシの交換時期かもしれません。

ナイロンでできた歯ブラシの毛は劣化していくので、それに伴いしなりを失っていきます。

ナイロンは水に濡れてもコシがあり、ある程度のしなりがあるため、伝えた力をほどよく利用し歯磨きができるのです。
しかし人工のものなので使用が重なればその毛のしなりは失われ劣化していきます。
しなりがなくなり適度な弾力がなくなってしまったナイロンは、周囲の組織である歯ぐき
を傷つけたり、力が適切に伝わらず歯をきちんと磨くことができなくなるわけです。

不衛生になりやすいじめじめした梅雨時期は、その交換のタイミングを早めた方がいいかもしれません。
口の中は多くの細菌がいる場所であり、歯ブラシを湿度の高い場所に保管しておくのでは、歯ブラシ自体が汚染されてしまっているといえます。

無駄なく使ってほしいとは思いますが、消耗品であることは間違いありません。

古くなった歯ブラシは掃除に使ってみてはいかがでしょうか。年末の大掃除や網戸の清掃に、また窓のさんや流しの周りなどに使ってみるとまだまだ利用価値があり大変便利です。

年間約36億本もの歯ブラシが廃棄されていると言われています。プラスチックゴミ等の問題もあり、持ち手を工夫した製品なども開発されています。

歯をただ磨くことだけにとらわれず、道具の質についてもきちんと見られるようになるといいですね。